シリアルポート用 ASCII / HEX ターミナル

最終更新： 作成者：Oliver Reed

SerialTool テキストターミナル と HEX ターミナル

SerialTool は、シリアルポートを通過するデータを表示するための テキストターミナル と HEX（16進）ターミナル の 2 種類の専用ビューアを提供します。

SerialTool テキストターミナル

テキストターミナルは、送信・受信されたすべてのシリアルデータを 行単位で表示します。 ポートごとに任意の色を割り当てることができ、複数の通信ストリームを見分けやすくできます。
表示可能な形式： ASCII、Hex、混合形式（CSV など）、バイナリ、ニブル、8 進数。

SerialTool テキストターミナル

テキストターミナルのスクリーンショット

テキストターミナルは、すべてのデータを行として整理し、 同時に複数のポートを監視するときに非常に便利です。

ターミナルモードでのコマンド入力

ターミナルモードでは、Type your command here の入力欄に キーボードから直接コマンドを入力できます。 入力した文字は、Serial in use で選択したポートへ送信されます。

Enter キー の動作は完全にカスタマイズ可能です。 \n（LF）、\r（CR）、\r\n のいずれかを選択できます。

ターミナル入力エリア

入力欄に直接コマンドを入力できます。

Clear Type Area で入力欄をすぐにクリアできます。

動作モード

Streaming（ストリーミング）モード

ストリーミングモード では、終了文字（\n や HEX 0x0A など）が 受信されるまで、データは同じ行に連続して表示されます。 終了文字を検出すると、新しい行が作成されます。

Packet（パケット）モード

パケットモード では、最後のバイトを受信してから設定した時間 （ミリ秒）が経過すると、1 つのパケットが完了したと判断し、新しい行を生成します。

主な機能

  • 行カラー設定 — 見やすさ向上
  • 自動マーキング — 特定パターンを含む行を強調
  • 高速検索 — 受信ログ全体からワード検索
  • ナビゲーションバー — 長いログの高速移動
  • 手動フィルタ — 必要な行のみ表示

詳細ターミナル設定

右クリックメニュー Terminal Settings から ターミナルの動作を詳細にカスタマイズできます。

ターミナル設定

詳細ターミナル設定画面

終了文字（ストリーミングモード）

行の終了を示す文字（または文字列）を選択できます。

カラー設定

  • 読みやすさを向上させるために色を自由にカスタマイズできます。

フォント設定

  • ターミナルに最適化された 3 種類の等幅フォント
  • システムフォントの利用も可能
  • CTRL + マウスホイール でフォントサイズ調整
  • 詳細解析のための文字間隔調整

ワードラップ（自動折り返し）

受信したすべての文字をそのまま表示します（制御文字を含む）。 カスタムプロトコルやバイナリプロトコルのデバッグに最適です。

行インジケータ

  • 自動行終端記号（↵）
  • 左側に行番号を表示
  • 行番号横にタイムスタンプを表示可能

設定の自動保存

すべての設定は自動的に保存され、次回起動時に復元されます。

HEX ターミナル – ASCII & HEX

テキスト・数値データは電子機器の制御に使用されますが、 コンピュータは人間の言語を理解せず、0 と 1 のみを処理します。 そのため、バイナリ、8 進数、16 進数などの記数法が使われます。 テキスト表現には ASCII が使用されます。

16 進数とは？

16 進数は 位置記数法 の一種で、 0〜9 と A〜F を使用します。 A〜F は 10〜15 を表し、1 桁の 16 進数は 4 ビットで構成されます。

ASCII とは？

ASCII（American Standard Code for Information Interchange）は 電子通信のための文字コード規格で、 英字、制御文字、拡張文字を定義します。

なぜ ASCII と HEX を同時表示するのか？

多くのシリアル通信は、表示できないバイト値を含みます。 表示可能 ASCII は 0x20〜0x7F の範囲のみです。 そのため HEX 表示が不可欠です。

SerialTool は各バイトを ASCII 表現 ＋ HEX 値 として同時に表示し、正確なタイムスタンプも付与します。

HEX ターミナルの概要

SerialTool の HEX ターミナル は、 すべてのシリアルデータを構造化された RAW 表示で提供し、 開発者やプロトコル解析者に最適です。

HEX ターミナル

HEX ターミナルのスクリーンショット

構造化ビュー：HEX + ASCII

各バイトは以下の形式で表示されます：

  • HEX 値
  • ASCII 文字
  • オフセット / アドレス

Byte Visualizer – 多形式バイト解析

ByteVisualizer
1 バイトを多形式で解析表示
  • 元のバイト（0xNN）
  • int8_t / uint8_t
  • ASCII
  • UTF-8
  • バイナリ
  • オクタル
  • HEX

拡張カスタマイズ

  • バイト、行、マーカーのカラーテーマ
  • 交互行カラー表示
  • HEX 表示に最適化された等幅フォント
  • CTRL + ホイールでサイズ・文字間隔調整
  • UART フレーム（スタート/データ/パリティ/ストップ）可視化

コンテキストメニュー

  • Find — ASCII / HEX で検索
  • Copy Hex / Copy ASCII
  • Hex Visual、[]、{}、char リストなどの形式にコピー
  • Remove Serial Colors
  • ByteVisualizer をすぐに開く

セッション統合

左側の Session Packets では、 タイムスタンプ付きで各パケットを個別に確認できます。

まとめ

SerialTool の HEX ターミナルは単なる HEX ビューアではなく、 シリアル通信を深く解析するための 完全なバイナリ解析ツールです。

SerialTool — あらゆるシリアル通信を理解・解析・デバッグするための最強ツール。